自然で流れるような足捌きが最高に気持ちいいベアフットトレイルランニングシューズ。
ファストなベアフットシューズ

聖天祭(上田市 海禅寺主催)に奇跡の出店をしてくれたVivobarefoot Japanで試着して思わずそのまま買ってしまったプライマストレイルフロー。
試着で履いた瞬間、これはビボなのか?と思ってしまうくらい結構ソールが硬い。玄関で履くと「コツ」と音が出るくらい。しかしその分反発もあるし、トレイルでの足の突き上げが緩和される。
だが一方でビボらしさである地面の凹凸を足裏で感じられるという点はかなり弱いのかもしれないと感じた。ビボのスタッフさんからは「あくまでファストに行きたい人向け」と説明があった。確かにじっくりと足や木の根の感触を味わうことなく、ファストに。そして流れるような山にはぴったりなのかもしれないと思った。
プライマストレイルとの比較

普段ビボはプライマストレイルを履いているので比較してみると、まず軽い。メンズサイズ40で218gしかなく、サンダルのような軽さだ。ソールベースは1.8mmでプライマストレイルの3.0mmより薄いが4.0mmのミッドソールがあるのでプライマストレイルよりソールがだいぶ硬く、足裏感覚はかなり鈍い。その分トレイルでは小石の突き上げはほとんど感じないし、反発力もあるのでロードでのジョグスピードも早くなる。ラグの高さはプライマストレイルが2.5mmでトレイルフローは3.5mmとなっていて、より不整地のトラクションが効きやすそうなソールパターン。ソール素材自体も粘りがあってフリクションが効くが、ウェットな岩の上はやや滑る印象。アッパーは極薄のメッシュで疎水性はほぼなく、水がダイレクトに入るがその分乾きも速い。
総じてトレイルフローは「攻めの靴」でありトレイルランニング用となっている。プライマストレイルはあくまでトレイル「歩行用」だったことに気づかされるくらい、大きな違いがある。
サイズはプライマストレイルと同じサイズで問題なかったが、甲周りはややタイトめになっている気がするので試着はしたほうがいいし、靴下選びには気をつけたい。
流れるような違和感ゼロの下り体験

早速、太郎山(標高差300mまで)で履いてみた。試着の時は芝生の上を走って山でも絶対良いと思ので早く山で試してみたかった。結論から言うと「最高」。これしか履けなくなってしまったらどうしよう。買ってよかった。高かったけど値段相応かそれ以上の価値があると思った。
山頂に着くと雨と露に濡れた草に触れるとすぐにアッパーを通じて水が靴の中に触れる感覚があるがその分水捌けもいい。半端に防水や撥水を謳わないで濡らしても排水、速乾を重視している。
このシューズの真骨頂はやはり下りで発揮される。プライマストレイルだと正直言って下りで思いっきり走ろうとすると足の裏にかなり刺激が入るため、なかなかうまくスピードには乗ることができない。しかしトレイルフローはシューレースが斜めに配置されていることで足の甲を包み込むため、下りで足が靴の中で全くずれず、違和感ゼロ。だから着地の際に足に変な力が入らない。そして突き上げの衝撃もほとんど通らないため、これまた足裏に変な力が入らない。結果、ごく自然に流れるように脚を運べるし、テクニカルな路面でもガンガンに攻められる。この体験は病みつきになる気持ちよさだ。
ウェットな岩の上だとやや滑る感覚があるがソールが薄いので対応しやすい。むしろ自然な制動感覚かもしれない。ビブラムメガグリップに比べるとフリクションはかなり劣るのでそちらに慣れている人は注意が必要だ。
この絶妙な設計はビボしかできない

最初は足裏感覚が鈍くなるならこれはビボっぽくないと思ったが、フィット感は高くてもちゃんと足の指を使えるようになっているし、他のトレランシューズに比べれば十分にベアフット感はある。それでいて突き上げ感だけが最小限に抑えられているが、厚底シューズのようなグネる要素は皆無。裸足のような足裏感覚は弱いが、裸足のような自由な足捌きを実現している。この絶妙な設計はやはりビボにしかできないのだなと納得してしまった。
薄くて柔らかいのが従来のビボだとすると、絶妙に厚みを持たせつつ、絶妙に硬度を増したイメージ。私の自作したビブラムの6.0mm厚ソールのワラーチに近い感覚だと思ったがそれよりは柔らかいのでそれとも少し違う。履いたことがないので想像でしかないが陸上短距離のスパイクの無い薄底トレーニングシューズはこれに近いのかもしれないと思ったり。
足裏感覚は弱いけど、それ以上に早く脚を動かしたい人、ビボで山を走りたいけど下りの路面の突き上げがきつい人にはおすすめだ。
おわり
20260520
更新20260613