軽速山歩

登山者が実践するファスト・パッキングスタイルへの道

ファストパッキングの定義−ファストマウンテニアリング的思考−

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「ファストパッキング」という言葉、実は僕は使い慣れていない。僕が近年目指そうとしている登山にあえて既存の名前を使うのならば「ファストパッキング」だと思うが、気持ち的にややしっくりこない。そこで作った造語が「ファストマウンテニアリング」だ。

 

 ファストパッキングという言葉と共によく出てくる他のキーワードが「ウルトラライト(以下、UL)」と、「トレイルランニング(以下、トレラン)」ではないだろうか。これらは「ファストパッキング」と近い意味で扱われたり、場合によってはほぼ同一視されていると言ってもいいかもしれない。

 

しかし、僕のやりたい「ファストパッキング」は「UL」や「トレラン」とはまた別のものであると定義したい。

 

僕にとってファストパッキングはあくまで通常の登山全般(マウンテニアリング)の延長線上にあるからだ。それは縦走も含むし、もしかしたらクライミング沢登りも含むかもしれない。だから、ファストマウンテニアリング。

 

もちろん、ULとトレランの要素はかなり入っている。ULの「軽くしてより遠くまで進む」という考え方、トレランの「山を走る」というスタイルはファストパッキングと重なる。

 

しかしULは北米のハイキングカルチャーから端を成し、自然回帰のスローなバックパッキングカルチャーの血が根底に流れている。装備もトレイルを歩くためのものであり、多少不便でも、アイデアがユニークで軽ければ良いという向きもあり、ファストパッキングとはそういった点で対照的な存在だと認識している。

 

またトレランは文化圏としてロードレースの延長線上に位置していることが多く、登山の延長線上のファストパッキングとは決定的に異なる。有用な装備は多いが、エイドありきの計画は登山の観点から見ると心許ない。

 

つまりファストパッキングとは、登山の形態のひとつで、ULの装備の良いところ、トレランの装備や行動形態の良いところを登山に織り込んだもの…と僕は解釈している。

 

トレランと違いファストパッキングは他人と競わない。あくまで個人で楽しむ登山と同じ。そういう意味合いも強めて、ファストマウンテニアリングと総称したい。自分の中の最大速度で移動し、目まぐるしく景色を変えていくことに喜びを見出す。そんな世界をもっと楽しんでいきたい。