Trail Hutの五徳使用を想定した低燃費な自作アルコールストーブ。
3種類目の自作アルスト
今まで空き缶で作ってたアルコールストーブは53mm缶トルネードタイプのもの、55mm缶の五徳不要サイドバーナータイプのものがある。呼称の便宜上それぞれをタイプ1、タイプ2として今回はタイプ3とした。
これがタイプ1のトルネードタイプ。約9g。
これがタイプ2のサイドバーナータイプ。約10g。
そしてこれが今回の新型タイプ3。約8g。
目指したのはガスコンロのような炎
特長はジェット孔の数を32まで増やした点、ジェット孔直径は約0.5mmまで小さくした点の二つ。構造としてはタイプ1のような副室を狭くした毛細管現象を利用したものではなく、タイプ2のような二重壁構造となっている。ただし缶が細い分副室内は狭くなっているのでトルネードに劣らず本燃焼への立ち上がりは早い。
ジェット孔を極力上部に開口することで加圧されたアルコールガスが真上に噴出し直噴型のストーブとなっている。ジェットの孔を小さく、かつ数を増やすことで低燃費で安定した炎を出せるようになった。目指したのはガスコンロのような炎だ。ガスストーブでも微細な炎孔であるほど炎のリフティングが少なく燃焼が安定する。
Trailhutの五徳SIGMA+に合わせて設計
実はこのアルストは五徳ありきで作ってみた。ストーブの高さは約40mmでこれはSIGMA+(シグマプラス)に適した高さにし、あえて五徳必須の直噴構造になっている。
タイプ1のトルネードタイプもSIGMA+には合うのだがトルネードタイプは製作に手間がかかるし、トルネードタイプの燃費の悪さに不満があったのでタイプ3を作るに至った。普通は作ったストーブに合わせて五徳を選ぶと思うが、五徳がかっこよすぎるので五徳に合わせて作ってしまった。タイプ2も量産可能なお気に入りのストーブだが、いかんせんSIGMA+との相性は全く良くないのだ。
低燃費の良さ
低燃費ということは、少ない燃料で長く燃えるということだ。逆にトルネードだと燃え尽きるのが早い。つまり低燃費だと長く燃える分火力が弱く、トルネードだとその分強くなる。そう言われると火力が強い方が良さそうな気がするが、それは無風の屋内の話。実際屋外で使うと風防があったとしても風の影響を受けるのがアルコールストーブ。多少高火力であっても炎がゆらめいてしまうとその熱はクッカーにはちゃんと伝わらない。そうなるとその燃費の悪さで沸騰に至らないままいたずらに燃料を消費してしまうこともある。だったらジワジワと長く燃えてくれるストーブのほうが間違いなく沸騰させてくれそうではないか。まさにウサギとカメみたいな話だ。
トルネードタイプとの燃焼時間比較
トルネードのタイプ1と燃焼時間を比較すると5mLのアルコールでトルネードタイプは点火から2分3秒燃焼、タイプ3は2分50秒燃焼した。もちろん立ち上がりはトルネードタイプのほうが早いがタイプ3とはほんの数秒の差だ。およそ38%も長く燃焼している。屋外では比較テストをしていないがこの差はきっと影響が少なくないはずだ。
アルスト自作にはコンパスカッターは必需品。このブログが参考になったという方は下記リンクを参考にしていただけると幸いです。
おわり
2025年2月22日