僕はファーストエイドと分けてエマージェンシーキットを作っている。
ファーストエイドキットはあくまでも怪我など肉体の緊急事態での対処用であり、エマージェンシーキットは物や事態に対応するときの道具一式だと思っている。
考え方として、ファーストエイドは応急処置の役割、エマージェンシーキットは救助が来るまでの延命、そして救助が来てもらいやすくする役割だ。ファーストエイドでちょいと動けるようにするよりも、いかにして救助が来るで長く生き延びて、早く見つけてもらうかが重要だと思う。
物や事態に対応するシチュエーションは基本的に
- ギアの修繕用途
- ビバーク時等のサバイバル用途
の二通りに分けられる。
1の場合、マルチツールとダクトテープが役に立つ。金属パーツの変形にはプライヤーが、ネジの緩みにはドライバーが活躍する。ダクトテープは衣類、テントなどの応急処置に便利だ。テープでは処置できない細かい修繕の場合は縫針と糸が重宝する。
2の場合では、サバイバルシート、人を呼ぶためのホイッスルなどが必要。また重要なのが火を起こすためのツール一式。火は山火事にこそ注意が必要だが、暖が取れるし、煙も出せるので自分の現在位置のアピールも可能なので最重要だ。火起こしのシーンでライター、ファイヤースターターと並んでマルチに使えるのがナイフである。タフなナイフがあれば薪の作成など火を維持するために必要な工作が可能となる。
サバイバルに事足りるナイフとなると鉈やサバイバルナイフくらいのサイズになってくるが、とてもじゃないが普通の登山でそんな大きいものを持ち歩けない。
となると、なるべく小さくてなるべく丈夫なナイフになってくるが、僕が愛用しているのはモーラナイフのエルドリスだ。手の平サイズでありながらも力を込めやすく、刃もサイズの割に分厚いので木材を加工するには必要十分な性能を発揮してくれる。ちなみにこのナイフは対獣用の護身用も兼ねているので、雨蓋などのいつでもすぐ取り出せる場所に忍ばせている(どれだけ応戦できるかは不明だが素手よりマシという意味で)
ナイフ以外はファーストエイドキット同様に無印良品のポーチに入れている。外から中身が見えて大変便利だ。モーラナイフ別で186g
2のシチュエーションは出来る限り避けるよう行動をするが、1のシチュエーションは予期せぬところで起きる可能性はある。ちょっとしたトラブルでもしっかり対応すれば余計な神経の消耗を最小限できる。それが命に関わるミスを減らすことにも繋がると思う。