軽速山歩

登山者が実践するファストパッキングスタイルへの道

登山用ファーストエイドキットの中身 294g

 

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ファーストエイドキットは充実しているに越したことはないが、ファストパッキング的な登山ではギリギリのところで取捨選択をしていかなければならない。あれもこれもとなるとキリがなくなる。

 

ファーストエイドキットの役割はなんだろうか。もちろん、登山中の怪我や病気への応急処置ではあるが、どの程度の怪我をどの程度まで処置するのか、自分以外の人に処置する可能性があるのかを考えなければならない。

 

僕の考えるファーストエイドは

  1. 行動に支障をきたすちょっとした怪我を処置
  2. 行動に支障をきたす体調不良を処置
  3. 救助が来るまでの応急処置

の3つに大別される。さらに、それぞれを登山中に起こりやすい怪我に当てはめて装備を決めていく。

 

1、2は致命的では無いが我慢するのが難しく行動に支障が出るようなもの。具体的に言うと、1は靴ずれ、オーバーユースによる膝痛など。2は下痢、風邪、頭痛など。

 

3は滑落時など、怪我の度合いが大きく、大量出血を伴う場合。骨折、裂傷部からの出血が想定され、そうなると自力下山は難しく、救助はほぼ必須となるので、救助が来るまでは止血や患部の固定などの応急処置をしなくてはならない。この際、口動けるようになる装備についてはほとんど考えていない。

 

僕は、1、2のような些細な怪我は対処するが、3のような大きな怪我は動けるようになるには専門的処置が必要だと認識しているので、動けるようになるというより、救助を待つための延命という役割で考えている。その場合、エマージェンシーキットと合わせてサバイバルキットとして考える。

 

www.fast-packing.com

 

自分以外の人への処置を行うかどうかついては、緊急時には自分以外への処置も行うが、基本的にセルフレスキュー用の装備としているので、自分に必要な分だけコンパクトにまとめている。

 

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僕のファーストエイドキットの中身はこんな感じ。基本的には、

 

新版 レスキュー・ハンドブック

新版 レスキュー・ハンドブック

こちらのレスキューハンドブックで紹介されているものをベースにして備えている。

 

先ほどの1〜3のカテゴリーを装備ごとで考えてみる。

  1. 行動に支障をきたすちょっとした怪我を処置
  2. 行動に支障をきたす体調不良を処置
  3. 救助が来るまでの応急処置

 

1の処置用で絆創膏、テーピング、キネシオテープなど。2ではストッパ下痢止め、風邪薬、痛み止めなど。3の処置として三角巾、ガーゼ、ステリーテープなど。その他傷口洗浄用で穴の開いたペットボトルの蓋、消毒用のライター、安全ピン、ハサミ。ビニール手袋もあったほうがいいだろう。

 

ステリーテープは深い傷口の簡易的な縫合が出来る。傷口洗浄用の穴ありペットボトルの蓋は水の入ったペットボトルに取り付ければ勢いよく水が出て傷口を洗浄しやすい。ファーストエイド用のハサミは繊細な作業を求められるのでナイフで代用は難しい。以前は小さいハサミを用意していたが、結局緊急時には使いやすいサイズでないと役に立たない気づき、フルサイズにした。

 

添木(サムスプリント)があると尚良いが、今のところ重量と嵩の問題からあえて入れていない。

 

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総重量294g。これらを無印良品のポーチに入れている。中身が分かりやすく、取り出しやすいので赤いポーチより実用性がある。完全防水ではないが、十分防滴性能はある。

 

決して軽いとは言えるものでは無いが、これくらいであれば削ることはできない装備だ。