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HOKA ONE ONE CAVU (ホカオネオネ カブー)231g【レビュー】

クッション性の低いシューズで足の踏み込みとスピード感を養いたいと思い、ホカオネオネのカブーを買ったのでレビュー。

 

目次

 

いわゆる「ホカらしさ」が無いトレーニングシューズ

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ホカオネオネといえばマシュマロのような厚底クッションを想像する人は多いだろう。今やファッションでもそれが厚底感こそがホカオネオネの象徴となっている。しかしこのCAVU(カブー)はそんなクッション性は無く、ごく普通のランニングシューズに近い。

 

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クリフトンと比較してみればわかるが、アウトソールの形状にゆりかごのような丸み、つまり、メタロッカーテクノロジーがほとんど無い。なのでいわゆる「ホカオネオネらしさ」が乏しいシューズなわけだが、その分汎用性が高くなっている。色々なトレーニング、フィットネスに使えそう。

 

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足入れをしてまず感じるのは軽さだ。厚いクッションを取っ払っているのでその分軽い。思わず脚を速く動かしたくなる。

 

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また、クリフトンが厚めのミッドソールと軽量化を両立するためにアウトソールのラバー部分をギリギリまで削っている一方、カブーは十分なラバー部分と厚みを確保しているため、ソールのすり減りについても長持ちしそうな印象がある。

 

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エンジニアードメッシュのアッパーはしなやかで、通気性もとてもよく、冬のランニングだと冷気が入ってきて走り始めは冷たいくらいだ。伸縮性のあるシューレースは解けにくい。

 

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その他に言えることは他のホカオネと同様、シュータンが短く、かかとにタブも付いていないため、履きにくさがあるが、これはデザインとトレードオフなのだろう。

 

サイズ感、フィット感

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僕は足の実測値は約25cm。クリフトンで26.5cmを履いてベストフィットなので、カブーも同じく26.5cmにしてみた。

 

実際に履いて走ってみると微々たるレベルだが、かかとが浮くように感じた。靴全体も細長いという印象を受ける。もしかしたら26.0でも良かったのかもしれないが、そうなると幅が狭くなることが懸念される。

 

公式オンラインショップでセール購入したのでサイズ不良での返品はできないし、交換したところで合うかどうかもわからないというところ。どのみち短距離で使うならば多少狭くても良いのかもしれないが、それも履かねばわからない。やはり靴を買うときは店舗でいくつかサイズを履き比べるのがベスト…。

 

しっかり地面を踏んで走りたい人向け

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クリフトンをはじめとする柔らかいミッドソールのシューズはジョグでも緩い坂道を下るように勝手に脚を前進させてくれるような感覚がある。しかし逆にスピードを上げようと思うと、クッションに少なからずエネルギーリターンを吸収されてしまう。

 

一方、カブーは自分で走ろうと思って走らなければスピードは出ない。しかしその意思が強ければ必ずシューズはそれに応えて反発し、スピードを与えてくれる。「求めよ、さすれば与えられん」

 

走るという行為は足で地面を踏み、乗り込んで、地面からの反発力を推進力に変える行為だ。反発をもらうにあたり、通常はソールは硬いほうが大きな力を得られる。カブーのかかと部分は衝撃を吸収する柔らかめのミッドソールになっていて、前足部は硬めになっており、反発をもらいやすくなっている。

 

オフセット(ドロップ差)が4mmと一般的にもホカオネ的にも低めの設計だが、ゼロドロップや他のベアフット系のような走りにくさはない。おそらくこれもしっかりと反発力を地面からもらえるからなのだろう。

 

走りにくさはないが、僕がそうであったように、普段クリフトンのような靴を履いている人はもしかすると走った後に脹脛やアキレス腱が張るような感じになるかもしれない。これはおそらくクッションが少ないのと、ドロップ差が少ないためにフォアフットの着地衝撃が原因だろう。ワラーチランニングと比べたら微々たるものだが、それに近い系統の疲労がある。

 

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走っていると、サイズ感でいうところのかかとが少し気になったが、それもしばらくすると忘れる程度のもので、支障をきたすようなものではなかった。履いてることを忘れるくらいの軽さだし、フィット感にも特に何も違和感が無く、5〜10km程度、少しスピードを意識して走るにはちょうど良い。

 

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総括すると、このカブーはホカオネっぽいシューズではないので、ホカオネの一足目としてはおすすめしない。しかし、前からクリフトンを使っていて、クッション性を減らしたいと思う人にはおすすめ。何より僕はこのカブーのデザインとカラーが気に入ったので、一番の購入動機はそれかもしれない(笑)。

 

おわり