軽速山歩

登山者が実践するファストパッキングスタイルへの道

karimmor / mountain zip-up / 127g

帝人フロンティアOcta®️CPCP®️採用のアクティブインサレーション

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軽くて通気性が良いけど暖かいという特長を持つウェアがアクティブインサレーションだ。アクティブインサレーションの代表的な生地にはOcta®️CPCP®️(以下オクタ)の他にPLIMALOFT®️ACTIVE(以下プリマロフトアクティブ) やPolartec®️Alpha Direct(以下アルファダイレクト)の二つが代表的だ。これら二つのウェアと着比べてオクタをどう感じたのかも含めてレビューしてみよう。

適度な薄さと耐久性

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オクタは裏地に極細の起毛があるが光にかざすと透けるので表面がフラットなメッシュであることがわかる。この構造により抜群の通気性とデッドエア(あったかい空気)の確保を両立している。

他のアクティブインサレーション生地と比較して通気性が一番あるのはOMMのコアシリーズで採用されているプリマロフトアクティブだと思う。もちろん生地の目付量によって違うが、コアフーディと比較するとコアフーディのほうが透け感が強く、メッシュに化繊の綿が付いているイメージ。

アルファダイレクト(私が持っているのはマイルストーンのクラウドフーディ)はコアフーディに次ぐ通気性だが、従来起毛フリースの目付量を減らしたような見た目。通気性はオクタ≒アルファダイレクト<プリマロフトアクティブ。個人的には真冬に使用するならオクタやアルファダイレクトのほうが好き。

生地の耐久度も通気性に比例していると思う。なぜなら通気性が高い生地ほどメッシュが丸出しであり、引っ掛かりや引き裂きに弱いからだ。オクタは表面がフラットになっておりメッシュの凹凸が無いため、耐久性はプリマロフトアクティブ<アルファダイレクト<オクタというのが個人的な感覚。

最後にお値段だが他のメーカーよりバリュープライスなのが良いところ。マスプロメーカーならではの価格設定というところだろうか。

フードレスだからアクティブシーンで実用的

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カリマーは日本人向けに作っているので身長175cm、普通〜やや痩せ体型でMサイズでジャストフィット。少しルーズに着たいならLサイズだろうか。

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ポケットは無し、サムホールがある。フルジップだが、ジッパーは上側のみ。袖口などにゴムは無し。重量はMサイズで約127g。

あと今回このマウンテンジップアップに惹かれた一番のポイントはフードが無いところだ。最近のベースレイヤー、とくにアクティブインサレーションはフーディが目立つ。もちろんフードがないものもあるが薄くてフードが無くて胸にジッパーがあるものが欲しかった。なぜフードがいらないかというと、単に邪魔だからである。デザイン的にあるとかっこいいのだが、運動量が多いアクティビティだと首周りがもったりして暑いし、動き始めだけ首を保温したいならバラクラバやネックゲイターのほうが実用性が高いと思う。そもそもアクティブインサレーションは運動量の多いマウンテンランニング系で重宝されるはずなのでフードは無くていいと思う。

それにジッパーを開けることで熱気を流して体温調整しやすいのも理にかなっているので、アクティブインサレーション×フードレス×ジップアップが私にはハマった。

実際に山で走ってみて
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マイナス1℃の登山で使ってみた。登り始めはウィンドシェルであるOMMのソニックジャケットを上から着用、中には速乾の化繊半袖Tシャツを着用。

シェルを着てしまえば空気の層ができて保温力が高まるのがアクティブインサレーションの良いところ。もちろん序盤は顔も寒いのでメリノウールのネックゲイターで顔を覆う。やがで登りも中盤になるとネックゲイターを取り、シェルも脱いだ。冷たい空気が一気に入ってくるがそれが心地よい。寒すぎず暑すぎずそのまま霧氷の山頂まで気持ちよく動けた。蒸れ感も汗冷え感もほとんどなく、中に着たTシャツもドライさを保っていた。

本当はハーフジップが理想だったのでどうかなと思ったがフルジップでもベースレイヤー的にも使える軽さがありつつ、フルオープンできる脱ぎ着のしやすさで中間着としても使えるので、活躍の幅が広そう。

ただ中に長袖のキャプリーンミッドウェイトを着たらやたら袖が捲れてきたので(スキーのシールみたいに?)中に何を着るのか、あるいは何も着ずに地肌に直接着るのかは好みの問題や研究の必要なあるところだが、使い勝手は大満足。寒い時期の主力ウェアがまた一つ増えた。

おわり

2024年12月13日