2025年11月8日〜9日。今年もバディに恵まれ毎年恒例となったOMM本戦。いつも通りエンジョイ勢なのでカテゴリはスコア・ミディアムで出場。
舞台は那須塩原

OMMはOriginal Mountain Marathonの略で、発祥は英国。古くはカリマーが主催だったため。Karrimor International Mountain Marathonと呼ばれていた。地図読みのオリエンテーリングと登山を掛け合わせた競技イベントである。
今回の舞台は栃木県は那須塩原。家からは3時間半くらいの距離で前回の静岡県河津町に比べるとだいぶ近くなり、場所が発表されてまず安堵。そして抽選を経て無事出場枠を確保!

毎度の説明になるが、「スコア」というのはロゲイニング形式の競技カテゴリになる。地図上に点在するコントロールと呼ばれるチェックポイントを回る順番を自分たちで決めながら、高得点を競いつつ制限時間内にゴールするというのものだ。ミディアムだと初日6時間、二日目5時間が制限時間となる。
イベントセンター(大会本部的なところ)はハンターマウンテン那須塩原というスキー場。OMM3回目なので、我々の挙動もかなり固定化されてきた。まずは金曜日の午後、頼りになるバディのデリカでイベントセンターへ向かう。ここでは15時から9時半まで前夜祭が行われているのだ。ここで受付を済ませてOMM気分を味わってから車中泊をして、飲み会をするのだ。
昨年の河津大会の駐車場はかなり住宅街にあって車中泊できるかどうかはかグレーだったが、今年は車中泊がオフィシャルで認められていたので堂々できるのがありがたい。車中泊者はスキー場の外トイレを24時間利用可能だった。
まず前夜祭会場へ

会場に着いたのが18時半くらい。昨年は会場着が21時を回っていたので前夜祭があまり楽しめなかったが今年は余裕だ。会場で販売されているクラフトビールで乾杯し、テーブルの地図と睨めっこ。我々は利用しなかったがスキー場のレストランが営業しており、夕食も食べれるようになっていた。
毎度毎度この熱気と盛況ぶりには驚かされる。世間一般的にはマイナー中のマイナーなイベントだけど、ここに来るとOMMのことばかり考えている人が全国から1,500人集まっているという。みんな普段何してんだ?

そうこうしているとTwitterでフォローしているキョウヘイさんがいたのでご挨拶するとカッコいいステッカーをくれた。ありがとうございます!ちなみにキョウヘイさんは同じスコアミディアムで総合2位の猛者で我々とは次元が違いますw

出店しているブースを一通り物色して思わず大会オリジナルTシャツ(税込5,000円)などを買いつつ、車に戻り車中泊の準備と飲みの準備へ。

バディが今年も用意してくれた日本酒を飲みつつ、大会に持って行く用のお酒をワイン用プラティパスに移す儀式を行う。翌日9時半スタートなことをいいことに0時過ぎまで飲んでしまう。
DAY 1 スタート

翌朝、まあまあ寒くて目が覚める。昨年の河津に比べると当然ながら気温が低い。このハンターマウンテン、何気に標高が1,100mくらいあるので寒いのは当然なのだが、早速今夜のキャンプに不安がよぎる。大丈夫、私はまだ2段階くらい変身(防寒着)を用意しているのだ…と自分に言い聞かせて落ち着く。しかし次回は車中泊用の暖かい装備は必要だなと反省。

朝のトイレチャレンジで身体を軽量化しつつ、準備を進めていると続々と車が上がってくる。周辺の宿に泊まっていた参加者も結構いたようだ。そして我々はかなりイベントセンターに近い場所に車を停めていたことに気づく。一丁目一番地だ。パッキングをしてみるとトータルウェイトは9.2kgほど。登山のマインドで挑んでいるのでついつい水を持ちすぎなんだよなぁ。

スタート時刻1時間前にイベントセンターに入る。今回のスタートはイベントセンターから徒歩5分ほどだそうなので余裕である。参加者の色々な出立を見物しながらスタートを待ち、9時頃スタート地点へ向かった。スタートはウェーブスタートなので割り振られた時間内にスタートすればいい。SIチップをチェックしてバディとペアでスタートラインに入る。スタッフには必ず「バディと揃って入ってください」と言われ、バディであることを確認されるのだが、今回我々は同じ色のOMMソニックジャケットを着てきたので「あなたがバディですか?」と聞かれることもなくバディの隣にいればスッと入れることがわかった。お揃い装備の効能である。

スタートラインの一番前に地図が置いてありそれをスタート前の1分くらいで見ることができる。「ゴールどこやねん」と思っているうちにスタートのブザーが鳴りバディがSIチップをスタートのSIステーションにパンチしてスタート。今回の足元はVivobarefootで挑戦。
DAY 1 振り返り

まず我々は南北に走る谷の渡渉は難しいと判断し車道へ出る道を選んだ。そこから車道沿いに北上しAL(20)、山に入りBG(30)を取る。そこからは北上して無難にCK(40)、車道を渡ってAD(30)を取る。固まっていて取りやすいエリアだがそれは皆同じ。ここからは車道を東へ進みBU(10)を掻っ攫い、CD(30)まで攻める。時間に余裕はあったがDC(40)が難しそうな気がしたのでBEやABをスルーしてDCへ。バディの機転ですんなりとDCはゲットし、DB(20)を取り後はウイニングロードでAE(10)を取ってキャンプ地へ。

制限時間より1時間半くらい早くフィニッシュし、早めのテント設営となった。時間だけ見ればもう少し攻めることができたかもしれないが、テントサイトに早めに着くメリットもある。まず同点だと時間が早い方が順位が上になるのだ。そしてもうひとつは、早い方が良い場所にテントを張れる。

振り返るとやはり初手で谷の渡渉を諦めたことがひとつの分岐点だったと思う。今回のエリアについてハンターマウンテンがイベントセンターだと分かった時点でもう少し地形の予習ができたものだがそれも怠っていた。どうやら堰合は越えられるっぽいのでBDを取って山を北上という手もあったのかもしれない。とはいえ、山だけを行く体力やや渡渉点を吟味できる技量は無かったので判断は間違ってはいないし後悔は無い。決して成績は悪いものじゃなかったが、それ以上を目指すにはもっとチャレンジをしていく必要があると感じた。1日目、230点。
今年のキャンプサイトは牧場!

初日のゴールであるキャンプサイトは例年だとオートキャンプ場であることが多かったので今回も特定しようとしたがそれらしいキャンプ場が無いなと思っていたら今年はまさかの牧場だった!公式ロゴマークに乳牛イラストが描かれていたのはこの布石だったのか…。

大量に水を運搬し、簡易水道を作り、仮設トイレも沢山あり、シーズンオフの牧草地がいっきにテント村になっていった。ちなみに水場は初日の夕方はずっと渋滞になっていたが翌朝はさっぱりだった。要するに皆さん調理用に使えるほどの水を家から担いでいないと思われる。まあ普通はそうか。
明日万が一雨が降った場合を考えて大きな木の下に幕を構えた。今年は分厚いファミリーテントばかり設営していたのでハイレヴォ2が軽くて仕方ない。今回からグラウンドシートとしてタイベックシルバーを敷き込んである。あっという間に設営したら、飲む前にしっかりと着込んで防寒する。一昨年の北八ヶ岳大会では、完全防寒になる前に飲み始めてしまい、そのまま中途半端な防寒で寝てしまい寒い思いをした。その教訓を生かし、ベースレイヤーにオクタのフリース、コアフーディ、そしてソニックジャケットを着込む。下半身も行動用パンツの上にメリノウールタイツを履き、レインウエアの下も履く。これでだいぶ暖かい。

日本酒という名のエナジードリンクを飲みながら、食事をする。今回の食事のメインはモンベルのリゾッタだが、おかず兼つまみとしてモンベルのフリーズドライサラダチキンを実戦投入してみた。そして有名だがじゃがりこをお湯で戻したポテサラと混ぜるといい感じに美味しかった。山ではリピート確定メニューだ。酒を飲んでいると向かいで世界の田中陽希さんたちがツェルトを張ろうとしている。その様子を見ながら飲む私たち…。ウィスキーもお湯割りでチビチビやりつつ、今回は20時前の早めの就寝。
DAY 2 スタート

翌朝、やはり寒さで目が覚める。地面からの冷気が寒い。サーマレストのエアーマットを持って行ったがXSであり、普通に膝下が寒かった。なお、シュラフは限界温度8℃でそれをエスケープビビィでブーストしている。エアマットを補うための座布団マットをなぜか枕元に置いておいたのは失敗だった。枕の位置もシュラフに初めから入れてしまえばよかったが、寝る前は酔っ払って頭がバカになっていた…。
翌日は7時スタートでまあまあ早い。5時過ぎにシュラフから這い出して飯食ってテント畳んでトイレ行ってパッキング。フリーズドライ甘酒が美味かった。これも毎度のことだが朝晩まあまあ普通に食べているので行動中にあまり腹が減らず、行動食が減らない。毎回のことなのに学ばず行動食を余らせてしまう。今年はナルゲンいっぱいにナッツ類を入れたけど、3分の1すら消費していない。あと水も一日500mlくらいしか飲まないんだから2.5リットルもいらないわ!来年の俺はこの文をよく読むこと!
DAY 2 振り返り

二日目、前日に山麓を歩いた富士山なる山の頂上にコントロールがあるかなぁと思ったらそんなことは全然なかった。地図は南に戻る形になるどころか、ゴールのハンターマウンテンよりさらに南にコントロールが点在している。前日に渡渉をあきらめていた我々は当然二日目もそうなるのだが、こうなると車道を進むしかなくなる。

とりあえず近場の高得点DH(40)を取りにいく。先に取って降りてきた人が(ちょっとドヤりながら)「上で熊出たんで、気をつけてくださぁ〜い」とのこと。みんな内心ギョッとしながらも歩みは止めず。あとで聞けば至る所で熊は出ていてその都度スタッフが発破をかけて追い返すなどしていたらしい。そこでは我々は鹿しか見なかった。景気付けに1発サイレンホイッスルを吹くと周りの人をギョッとさせてしまった。

DHを取ると車道を戻ることにした。車道沿いは10点とかしかないので逆に、ゴールのハンターマウンテン近辺のスキー場に取りやすそうなものがあるので思い切って一気に車道をここから1時間半以上ポイント獲得無しで走ってハンターマウンテンの向こう側のDL(30)に向かうことに。DLにはイベントセンター脇を突っ切って侵入。ゴール会場の準備をしているスタッフ達を横目にスキー場を登る。そこから堰を切ったようにCL(30)、ゴーロの沢を詰めてCU(50)を連続で獲得していく。

こんな時間に下からから登るやつなんてほとんどいないのでここまでは人にあまり会わず。ゴーロの沢なんて皆尾根から来てたので静かな沢登りをエンジョイできた。ここらで雨も少し降ってくる。上からはスキーリフトが見えるのでそれを頼りにAK(40)、下りながらAM(40)を奪取。早めにスキー場に来たので後から大量に登ってくる人を横目に下るのはなかなか爽快であった。スキー場の開けた感じと曇天が本国UKのOMMの雰囲気を醸し出していた。

ちなみにバディはかつてアルペンスキー選手だったので無雪のスキー場でも降りがめちゃ速い!登りも速いのに!リズミカルにゲレンデを滑るが如くあっという間に姿が遠くなるバディ。そして時間に余裕があるし、どうせゴールはすぐそこなのでBN(30)とAF(20)も労せずに平らげる。雨も上がり、最後にCA(10)を取ってフィニッシュ!制限時間30分以上余裕あり。

得点としては260点で初日より高くなり、まずまずの結果だが順位はそこまで伸びず。思い切って「先にスキー場かっさらい作戦」をやったつもりだったが、凡庸だったのは、やはり山と谷を突っ切れなかったからだろう。自分たちの動きに後悔は無いが、これ以上の点を狙うにはスタイルを変えていかないと難しいだろうと痛感した。たとえば最初のDHを取ったらBMへ行き(バディは提案していたが…)、BJへ北上、ASかAFを取りながらBN→AM→AK→CU→CL→DL→CAだと330点である。CUまで登れなくても280点だ。あとは移動速度だろうか。時間切れやロストを絶対に避けていた我々だが、恐れずにチャレンジすれば開ける世界がありそう。精進あるのみ。

なお、よくインスタで見かけるフィニッシュの看板の前には実は長蛇の列ができている。SNSにアップされたキラキラした写真の裏側を見るのは趣深い。
総括

OMMはスタートとフィニッシュさえちゃんとSIチップでパンチすればあとは自由だ。表彰もあるが我々には無縁。レストランで頼んだ名物・巻狩汁が疲れた身体を癒してくれた。その他適度に補給をして所用を済ませたら帰路に着いた。今回もお酒を用意してもらい、長距離運転をしてもらい、そして2日苦楽を共にしてくれたバディには本当に感謝しかない。そして何よりこんなにも大規模な大会を安全に楽しめるように運営してくれた運営スタッフ一同に対しても多大なる感謝を意を表したい。
余談であるが、毎回私が先頭に立って好き勝手やらせてもらっているので今回はバディに先達になって好き勝手やってもらえないかと聞いてみたら面白い答えが。「着いていくほうが新鮮で楽しい」と。バディは普段仕事では全面的に自分が責任を負って指示を出す立場のお人。OMMではサブ的な立場になれることがある種貴重な経験のようだ。それを聞きな、なるほど〜と感じるとともに、自分だけが好き勝手やっていて申し訳ないという罪悪感がなくなり、俄然先達のお役目を全うしたい気持ちになった。こういうバディとのバランスがOMMでは大事だなぁと、有り難さを感じる。

これを書いている今もまだOMMの興奮は完全に冷めておらず、もしあのルートを通っていたら我々は時間に間に合っていただろうかとか、別のやり方があったのではないか?とか色々な「もしも」が頭の中に交錯しつつ、そのために我々に必要なものは?と自問してしまう。後悔というよりも、次に向けてまだ伸び代があるのではないかというワクワク感だ。つまり今ただ思うことは「またやってみたい」ということである。新たな一年がまた始まる…!
装備について

最後に装備についてだが、3回目となると特別良かった!というものも無いわけだが、いくつか試したことを書いておく。
防寒着は少し実験をしてみてミスった。シェルとアクティブインサレーションの組み合わせをすることでいつも持っていたインサレーションを省略したが、あまりよくなかった。やはりガツンと暖かいダウン一つにしようかなと検討中。OMMは行動防寒などはあまり考える必要はない。行動中は薄着、テント場ではヌクヌクの二極化で考えるべし。

他に、タイベックシルバーをグラウンドシートに使ってみた。嵩張らないし保温効果はきっとあるだろうし、テントの保護になるからこれからも使うと思う。

あと人体実験として二日間ぶっ通しでニトリルゴム手袋をつけっぱなしにしてみた。保温になるし乾燥しないし良いVBLになったのだが、外すとほんのり臭い。手から足の裏みたいなニオイがする。即会場のアルコールで消毒した。
写真は端折るが、アクシーズクインの「クナイ」というゲイターはめっちゃ良かった。昨年のOMM後に買って絶対次は着用しようと思っていた。適度な保温にもなるし、雨具の裾の引き裂き保護になるし、脛そのものの保護になるし、ずれないしキツくないし、カッコいいし、最高としか言えない。
シューズであるが、Vivoで二日間歩き通した。少し心配だったが日ごろVivoばかり履いて慣れていたので問題なく快適に歩けた。やはりOMMにはVivobarefootが似合う。
最後に。帰りにバディに買ってもらった「くらま」というが大根めちゃめちゃ甘くて美味しかった。梨かというくらい。是非秋の那須塩原に訪れた際は大根を買おう!という地元への感謝も最後に付け足しつつこのブログを締めたい。
おわり
20251113
