最近、一部のトレイルランナー界隈では山に登る以外の方法で累積標高を増やしていって、富士山やエベレスト並みの標高を獲得しちゃおうという頭のおかしいトレーニングが流行っているという。
その方法はとある木の周り、周囲数メートルなどを何周もグルグルし続けるものや、家の階段をひたすら登り下りしたりするものである。控えめに言っても頭がおかしい(笑)。
僕は極めて普通の人間で、そのような常軌を逸したことを積極的にやりたいとは思わないが、こうも山に行かないと、ちょっとずつ登り下りが恋しくなってくる。ランニングだけだと山を意識して走っていてもどうしてもアップダウンが無いと筋肉への刺激が違うのだ。ランニング自体がマンネリ化し、飽きているというのもある。ここはトレーニングのバリエーションとして標高差トレーニングを取り入れるべきであろうという結論に至った。
先ほども言ったように、木の周りをグルグルしたりするのは変態である。最初は普通に坂道のあるコースを走ってみたが、距離の割に標高差が少なく、効率が悪かった。小さな標高差でも連続して何回も往復出来るのが良い。階段も考えたが、マンションの共用階段だと住人から苦情がくるだろうし、鉄筋コンクリートの階段を登り下りし続けるのはトレーニングとしてかなり退屈で、もっと自然を感じられるほうがいい。
ということで、近所の、歩いて1分くらいの公園に来た。ここには小高い丘がある。高さ2〜3mくらいだろうか。厳し目に見積もって、2mとする。階段がついていおり、階段の登り下りをやってみた。しかし、何か刺激が足りない。階段で2〜3mなどなんの足しにもならないし、退屈だ。
そこで階段の脇の草地にを駆け上がってみる。
おっ、これだ。これは山の草地の急登の感覚。そして同様に駆け下りてみる。おお、これはまさに夏のスキー場を登山道として駆け下りているような…。
ということで、トレーニングは決まった。ここを実際の山の荷物4kgほどを背負って、とりあえず100往復。標高にして200m以上を登って降りたことになる。距離にして約2kmらしい。楕円を描くようになるべく平地は歩かずに走るとかなり「山」っぽく肉体を追い込める気がする。ちゃんと往復回数を記録できるようにカウンターアプリを使った。
2回ほどやると、草地にだいぶトレースが付いてきた。雑草には申し訳ないと思いつつ。この草地の踏みつけは絶対に国立公園内では出来ない。草木の命は人間が勝手に重い軽いを決めている。どうせならもっと明確な道を刻むまで、とことんやろう。
ちなみに、トレーニング中は結構気持ちいいが、見た目はかなり変態なので人がいない早朝にしか出来ない。はたしてこの遊びはいつまで飽きずに続けられるだろうか?