2020年6月27日、日帰りピストンで上信越高原国立公園の烏帽子岳(標高2066m)に行ってきた。
ルートは上田市民の森から東北東に伸びる尾根を往復。烏帽子岳と言えば反対側の地蔵峠(1732m)から、湯ノ丸山をセットにしたコースが一般的で、このルートを歩く人はほとんどいない。予想通り、往復で人に会うことはなかった。
ちなみに今回のコースは烏帽子スカイラン(烏帽子岳登山競走)という2018年初開催のレースで、バーティカル(登りのみ)で使用されているコースだ。なので、烏帽子バーティカルルートと名付けよう。
レースでは制限時間は2時間30分。これの出場を目指すわけでは無いが、制限時間はあると意識してしまう。とりあえず2時間半以内の登頂を目指した。
市民の森は営業時間外でも駐車場が封鎖されることはないので朝から駐車可能。トイレもある。
駐車場から車止めをさらに進んで市民の森内の道路を登ると、Y字分岐があるので左の車止めがあるほうへ進む。ここから登山スタート。いつも思うが、少しマイナーな地元ルートは入山口をちゃんと見つけられるかどうか不安になる。出だしで入山口を見逃して行き過ぎてしまったりすると一気に萎えるので…。
Y字分岐。ここまで登ったら左の林道へ。
しばらくは林道を登る。早朝、しかも先行者がいないせいか、車一台分の道幅にも関わらず、大きな蜘蛛の巣が道を塞いでいた。これには辟易した。
グングンとペースを上げられる勾配ではあるが、蜘蛛の巣が気になって、走れない。世のトレイルランナーたちは蜘蛛の巣についてどう思っているのだろうか?そもそもそんなに人が入ってない山にトレランは行かないのだろうか?
林道から登山道に入っても平坦で走りやすい道が続く。レースが開催されているだけあるという趣の道。しかし、引き続き蜘蛛の巣の猛攻が続く。木の枝を持って前方を払いながら進む。登山用で蜘蛛の巣除去棒があれば売れるんじゃないかと思いながら進む。「アンチ・スパイダーネット・タクト」などという名前はどうだろう?結構それっぽい。
アンチ・スパイダーネット・タクトはサイズが難しい。大きすぎると重いが除去力が強い。小さいと軽いが、除去力とトレードオフになる。標高を上げるにつれ、蜘蛛の巣はだんだんと少なくなってきたので枝も大きいものから小さいものに変えていった。
標高1500mを越えてくると蜘蛛の巣もだいぶ大人しくなってきたので、棒とおさらばして、ようやく歩きに集中できる。しかし走れる勾配ではないので、ひたすらガシガシと高度を稼いでいくことになる。ジオグラフィカの音声ガイドによると、登高速度は700〜800m/hだった。
標高約1300mの伐採地は開けている。
何度か林道を横切る。
標高約1800m、角間温泉への分岐は現在道が悪くて通行止め。
四阿山。
標高1900mあたりのガレ。
モアイ岩。
1900mを越えると森林限界が近づき、視界は開けてくる。通称モアイ岩と言われる巨岩あたりは完全に森林限界を越えており、山頂はすぐそこだ。このあたりはガレているので落石や転倒に注意が必要。
ガレを登り切るとまもなく山頂となる。タイムは2時間12分。2時間切りは無理だったが、レース制限時間2時間半は切れたので個人的には満足。山頂からはうっすらと北アルプスの山並みが見えた。僕が登った道は人がゼロだったが、山頂は地蔵峠から来た人で少し賑わいがあった。
山頂ではプロテインバーを補給。今回の食糧計画はバー系のお菓子4本のみ。ここまでの登りで一本満足バー×1とフルーツケーキバー×1を補給している。残る食糧はプロテインバーが1本のみになってしまったが、特にシャリバテは起こさず。僕の場合これくらいで丁度良い。そのかわり、ハイドレーションにはBCAAドリンクを入れているので、なるべく体脂肪を燃やしてエネルギーに出来るようにしているつもり。
山頂でウィンドシェルを羽織る間もなく、そのまま下山。最初は写真を撮りながらゆっくりと降りていたが、ガレを過ぎたので走ってみた。すると300m下ったあたりで早くも右膝に痛みが。痛みが来ないとは思ってなかったけど、ちょっと来るのが早かったなぁ…。
大腿四頭筋の疲労が原因と思われる。やはりランニングを多少続けていても、登山ではあまり役に立たない。久々に登ることでこれを実感した。このランニングと登山のトレーニング問題についてはまた別で記事を書きたい。
テーピングはめんどくさかったので、ロキソニンを飲んで、ストックを出してゆっくり降りる。完全に徒歩ペース、なんなら通常より遅いくらい。休み休み歩いて、なんとか下山。トータル約5時間。登りと下りがほとんど同じペースという…(笑)。
以下、ジオグラフィカのデータ。休憩時間含むグロスタイム。
ゆっくり降りたおかげで昆虫や動物、樹木をよく観察して歩くことができたのでそれはそれでとても充実していた。やはり山の楽しみの原点は自然への愛着なのかもしれない。