日本最大規模の都市型スカイランニングレース、太郎山登山競走に参加してきました。
- 太郎山登山競走とは
- 真田幸村コースとは
- 当日の流れ(スタートまで)
- ペース配分が大事!スタートから石鳥居
- 心臓が爆ぜる!石鳥居から山頂ゴール
- 余韻に浸れ!ゴールから下山へ
- まとめ「上田の山においでよ」
太郎山登山競走とは
太郎山登山競走は二日間に渡り、上田市民の山とも言われる太郎山(たろうやま 標高1,164m)周辺で開催され、一日目はバーティカルレース、二日目はスカイレースが行われる。それらレースの総称、愛称が「太郎山登山競走」だ。
バーティカルレースには真田幸村コース(ノーマル)と猿飛佐助コース(エリート)があり、真田幸村コースは700mアップ。猿飛佐助コースは1,000mアップとなりバーティカルキロメーター®️として世界基準のバーティカルレースコースとなっている。共にゴールは太郎山山頂。
二日目のスカイレース®️にはノーマル秋和コース(+2,000m)エリート塩尻コース(+3,000m)がある。どちらも太郎山から虚空蔵山を登ったり降りたりする過酷なレースで、エリートはスカイランナージャパンシリーズ開幕戦に位置付けられており、限られた選手しか参加できない。
真田幸村コースとは
僕が出たのは一番参加層の間口が広い真田幸村コース。健康な小学生以上の人なら誰でもエントリーできる。スタートは標高およそ460mの大星神社。ここから少しロードを走ってあとはひたすら急峻な山道を登り、ゴールは1,164mの太郎山山頂だ。スタートとゴールの標高差は約700mとなる。
真田幸村コースは下りはゴール直前のほんの少しあるくらいでほぼ登りのコースで、太郎山四十八曲がりコースと表山道コースを通って太郎山山頂をめざす。子供からお年寄りまで参加できるので総勢約400名のエントリーがあった。全て歩いても完走可能なのがいいところ。
当日の流れ(スタートまで)
まず開会式が8時30分から30分ほど行われる。場所は上田駅お城口駅前広場。これは出なくても問題ないが雰囲気を味わいたい人は見ておこう。そもそも受付をする必要が無いので面倒臭い人は自分のスタート時刻に合わせてスタートの大星神社に直接行ってもOK。
僕はスタート時刻の30分くらい前に大星神社に到着。上田駅から歩いたらだいたい20分くらいだろうか。境内がスタート会場になっており、荷物置き場や出店がある。
メレルのシューズコーナー以外にも飲食系も多数出店があってマルシェのようになっているので、サポートの人や家族も楽しめる。
ペース配分が大事!スタートから石鳥居
2024年は性別と年代別で20秒置きのスタートとなった。一斉にヨーイドンではないので何か気が楽。
スタートからすぐに登り調子のロードになり、バイパスを地下横断歩道を通って渡り、急なロードを少し登れば登山道となる。登山道入口は人一人分の幅のため先行者がいたら先に入りたいところ。
その先の登山道は「四十八曲」と呼ばれるつづら折りが連続するコースで、正直かなりの急斜面だ。ゆっくり走っていけないこともないが、序盤なので体力分配を考えたい。ここで足が止まってしまっている人もいた。
つづら折りが終わって尾根に乗ると少し傾斜が緩くなった気になるが、実際は傾斜はまあまあある。緩傾斜だと錯覚して飛ばすと脚が終わる人もいるだろう。鉄塔を過ぎたあたりから猿飛佐助コースとの分岐(古井戸分岐)の少し先までは緩い傾斜になるのでここで走れる脚を残しておけば差が付くかもしれない。
心臓が爆ぜる!石鳥居から山頂ゴール
やがて給水所の石鳥居に着くが、その手前はまた傾斜があるのでよちよち登り。紙コップにて水が振舞われる。ちなみに写真の石鳥居は去年レース当日早朝に撮影したもの。
石鳥居から先はもう残りの力を振り絞って登るしかないのだが、ここから力を出せるかどうかで順位は結構変わると思う。僕は歩いたり走ったりやっぱり歩いたりだったが、序盤でだいぶ脚を使ってしまったので歩いても速度が遅く、後ろから歩き抜かれることも。全部走れるならそれもいいが、早く歩く練習も必要だと痛感。
ひたすら登って二十二丁丁石を過ぎると猿飛佐助コースと合流する平坦な道になるので走る。そしてそこから登ればすぐ赤鳥居なので根性のパワーウォーク。ここで応援の人が「もう山頂はすぐそこだよ!」というが、これはフェイクだ。僕は知っているが地元以外の参加者はここで騙されて飛ばしてしまう。神社前の広場までは落ち着いて歩こう。山頂までもうひと登りあるのだから。
広場を山頂だと思って「あれ?」とならずに、広場前から山頂直下の鞍部までは平坦&下りでラストスパートだ。
しかし飛ばしすぎて鞍部からの登り返しがきついな何の。ここで最後のパワーウォーク。そして最後の登りは人もたくさんいるので形だけでも走りたい。そして大勢の人とMCに迎えられながら山頂でゴールとなる。
余韻に浸れ!ゴールから下山へ
ゴール後は精魂尽きて思わず座り込む。人はまあまあいるが広い山頂なので適当に座れる場所はある。あとで見返すと平均心拍が183だったので常に全力疾走の状態。こんなに出し切ることはなかなか無い。フルマラソンともトレランとも違う、力の解放による快楽がそこにはある。
太郎山登山競走、10回目を迎え、なんと全て晴れているそうだ。太郎山山頂からは綺麗に北アルプスが北から南まで見える。南アルプス、富士山、八ヶ岳も美しい。息が少し落ち着いてきたら景色を堪能した。
知人のゴールを少し待ってから下山開始。下山は来た道を戻る。僕は結構山頂でウダウダしていたのでもう登ってくる人はほとんどいなかったが、選手とすれ違いになるので思うようなスピードでは下れないので注意。時間には余裕を持っておこう。ちなみに山頂にブヨがおり、気付かないうちに刺されて数日腫れてしまったので注意。
最後に大星神社に戻り、計測チップを返却しないといけない。ここでは参加賞や上田のお店で使えるクーポンが貰える。あんこが美味しい激安ボリューミーなスイーツ「じまんやき」やクラフトビールが飲める「天神ブルワリー」でも使えるのが良いが大会期間中にしか使えないので要注意。
記録証は駅前の広場で発行してもらえる。
まとめ「上田の山においでよ」
バーティカルレースは初めて出たがやはりレースということで普段の一人登山より力を出すことができた。その代わり心臓はフルパワーで動きっぱなしで、10km全力疾走のような感覚。とにかく疲れるが距離も短いので途中で嫌になることもなく、一瞬で激しく燃え、そして最後はしっかり完全燃焼できるのが魅力だと思う。
大会の雰囲気としては、モンゴルからの招待選手も来ており、「信州上田太郎山から世界へ」「太郎山登山競走を世界大会へ」という松本大さんの意気込みが伝わってきた。県外からの参加者もかなり多い。
上田市は観光をするにも少し中途半端で松本市や長野市に比べるとイマイチ見どころに欠けるが、山が近くてハイキングをするにはいいところだ。街もコンパクトで山から街におり、歩いて街を散策すれば結構面白いお店や美味しいお店も裏通りなんかにある。その辺も絡めて今後も大会参加者が増えて「スカイランニングの街上田」が内外に知れ渡れば良いなと思う。
おわり
2024年5月9日