軽速山歩

登山者が実践するファストパッキングスタイルへの道

軽量コンパクト過ぎるミニマムナイフ4本を比較

  • 肥後守“豆”
  • OPINEL(オピネル)#3
  • G・サカイ“マルチホルダー”
  • deejo(ディージョ) “naked 15g”

この4本を比較してみた。

ULなナイフたちを集めてみた

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左からオピネル、肥後守、G・サカイ、ディージョ。本来どれもナイフとしては小さすぎて用途が限られており使い物にならないレベルだが、非常用やUL的遊び心の観点からこれらのサイズのナイフを考察してみよう。

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ちなみにサイズ感はシャープペンシルと比較した場合はこのようになる。どれも手のひらに収まるどころか握り拳に収まるサイズだ。以下スペックと一言感想を並べてみる。数値はすべて実測値、刃の厚みは大体中心部の厚みとする。

肥後守“豆” 14g
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重量:14g

全長:92.2mm

刃渡り:39.3mm

収納時:64.3mm

刃の厚み:2.0mm

和製ナイフ肥後守の中で最小サイズ。切れ味は青紙割込の「中」ほどはない。ハンドルは真鍮製、ブレードはSK鋼。SK鋼は一般的な包丁に良く用いられる鋼材で硬さと靭性を兼ね備える。研ぎやすいので研げば切れ味はもっと良くなるかも。刃は厚みがあるので多少タフな扱いもできそう。錆に注意。ロック機構は無く使用時はキチリを押さえて持つ。

豆 肥後守

豆 肥後守

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OPINEL#3 7g
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重量:7g

全長:97.6mm

刃渡り:40.6mm

収納時:56.2mm

刃の厚み:0.6mm

オピネルの中では二番目に小さいモデルだが一番小さいキーホルダーモデルとほとんど変わらないミニナイフ。比較した中でダントツに軽い。存在感が無いレベル。鋼材はステンレス(サンドビック12C27M)で切れ味も良いが、刃が薄いため研ぎにくいし、耐久性も期待できない。用途として調理用の域を出るのは難しいかもしれない。また、このサイズはロック機構が無いのが難点か。

G・サカイ“マルチホルダー” 17g
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重量:17g

全長:117.4mm

刃渡り:43.1mm

収納時:65.9mm

刃の厚み:1.4mm

さすがガーバーやスパイダルコという世界の一流ナイフメーカーのOEM生産を行うだけあって、切れ味はこの中で一番良い。小さいながらしっかりとしたロック機構もあり、安心した作りになっているがその分重さはある。ブレード鋼材はA6ステンレスで悪くない。

deejo“naked 15g” 14g
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重量:14g

全長:125.4mm

刃渡り:52.3mm

収納時:70.8mm

刃の厚み:1.5mm

ライナーロック機構のあるミニマルナイフ。大きさの割には軽量。品名に15gとあるが実測値14g。しかし片刃であり、汎用性が低いのが難点。ステンレス製だが表面にチタンコーティングがされており、焼き色をつけることが可能。実用性よりもデザイン性が先行しているナイフ。

個人的ベストチョイスは…

いずれのナイフも本来の用途はペーパーナイフであったり釣り用であったりするが、UL的に考えると用途の幅は広げられそうだ。何より見ていて楽しいし、コレクター心をくすぐる。

その中で僕が一つ山に持っていくとしたらG・サカイの「マルチホルダー」を選ぶ。重量はこの中では一番あるが、つくりの堅牢さと切れ味がアウトドアには一番向いていると思う。結局のところ実用性を考えたら堅牢性を犠牲にすることはできないので、その点からするとマルチホルダーはバランスが取れていると思う。

もちろん他のナイフにも良さはあるので用途に応じて選ぶのも良いだろう。結局アウトドア用品なんて自分が好きなものを使えばいいのだ。

 

おわり

2024年3月10日