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【レースレビュー】志賀高原エクストリームトレイル2022 ロング

先日、2022年10月23日(日)開催の志賀高原エクストリームトレイル2022のロング54km(本当は56kmある)に出場し、完走することができた。

僕が今まで出場した大会で最長距離は43kmくらいなので、今回過去最長距離ではあったが、なんとか完走できた。また、累積標高約2,800m(ガーミンでは2,900越えてた)も最高だったが、これもクリアできた。自分のなかでは難易度が高めのレースだったが、制限時間まで余裕を持って完走できたので素直に嬉しい。

 

ロングの前泊について

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まず大会当日スタートまでの流れだが、ロングは朝5時スタートのため、前泊が必須だ。前泊は大会公式サイトから飛んで申し込みする形だ。今回は「全国旅行支援」が適応されるのかどうか、直接宿に聞いたところ、適応されるが、ワクチン接種証明がいるとのこと。ちなみにワクチン証明が無く、申し出なかった人は適応されなかった。

宿の場所はいくつか選べるが、場所によってはスタート地点から遠い所もあるので注意が必要だ。宿は夕食がついている他、朝食が弁当なのだが、お弁当はセブンイレブンの幕の内弁当だった。

ロングの受付は前日19時まで。参加賞のTシャツがなかなか良いデザイン。スタートは翌朝5時。夕飯を食べて、装備の確認、ドリンク、行動食のセット、コースを確認して、風呂に入り、21時半くらいに就寝。朝着替えるのが面倒なので走る格好で寝た。

朝、スタート前

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翌日、4時前に起床。前日にだいたい準備をしているので弁当を半分くらい食べ、4時半にホテル下から会場へ向かう。寒いので早く行き過ぎてもしんどい。

僕の服装は、上はメリノウール腹巻きにプリミノ長袖フーディ、ウィンドシェル。下は短パン、グローブはメリノウール60%といういでたち。

気になる当日の天気予報は昼までは晴れで、午後16時頃から崩れてきて雨になる予報。暗い雨の中のゴールが予想されたが、スタート時に振られるよりかはマシだ。来年このレースは天候がエクストリーム(雨か雪か台風)なので、今回はかなり異例と言えよう。

外に出ると星空が綺麗だ。気温は氷点下いかないくらいで2、3℃だろうか。当然夜明け前なのでホテルを出る時からヘッデンスタンバイ。とりあえず荷物は車に積む。尚、チェックアウト後も車はホテルに置きっぱなしでOK。

そして時間が迫り、続々とゲート前に選手が集結。ブリーフィングは事前にウェブ配信されているので、ただ集まるだけ。気温は低いが、選手の熱気で心なしかスタートラインは暖かい。スカイランニング日本選手権選手のスタートが終わり、いよいよ一般選手がスタート。

スタートから横手山

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スタートから横手山スキー場のゲレンデ登りとなる。序盤は傾斜が緩いのでそこそこ走れる。結構人を抜かすが、だんだんと斜度は増してペースが落ち、結局結構抜かされた。後半の斜面ではストックを使用。

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車道を渡り、山頂に近づくと細いトラバースの登山道に入る。ここでストックを畳もうとして、手元を見ながら歩いていたら、まさかのプチ滑落をしてしまう。右足を踏み抜いて、谷側の斜面に1mほど滑り落ちてしまった。幸い草と木があり、段差があったため、下まで滑り落ちずにすぐ止まったが、なかなかのヒヤリハットだ。綺麗に滑り落ちたので擦り傷もなかった。当たり前だが暗い中、狭い登山道ではしっかり足元を見て歩かないといけない。

横手山から第1エイド

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山頂からゲレンデを少し下ると山岳セクションに入る。ここでシェルは脱いだ。山岳セクションは急で狭く泥の多い登山道だ。個人的にはよく慣れた道なのでリズミカルに下りたいのだが、やはりこの手の登山道に慣れていない人がトレイルレースにはいるので渋滞ポイントとなる。

ぬかるみを通過するにしても汚れるのを嫌がりすぎる人や、ぬかるみの中でもハマらないところを見極められない人がいる中、ちょっと横から抜かそうとすると、尻もちで滑ってしまった。これはこれで良いんだが、グローブに派手に泥がついてしまった。ぬかるみにはまると足首までいくため、靴の中まで水が染みてひんやりする。

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ここの山岳セクションはいくつかの山頂を通るのだが、そこには絶景が広がっている。北アルプスなどは見えなかったが、志賀高原の山々がよく見えた。道は典型的なぬかるんだ登山道で、細かなアップダウンがあり、まさに縦走している感じ。歩行区間もある。

第1エイドに近づくとゲレンデの下りとなり、僕はグッとスピードが落ちた。山岳セクションで調子こいたのもあるし、ゲレンデが苦手過ぎるのもある。早くも膝が痛みそうな気配が満々なのでまったくもってペースを上げられない。

エイドにはコーラ、水、お菓子多数。僕はコーラをいただき、温泉饅頭を2個食べた。少しでもエイド滞在時間を少なくするため饅頭を食べながら歩き出した。

第1エイドから第2エイド

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第1エイドを過ぎるとやがて焼額山の登りになる。ひたすらゲレンデを登る形になり、煽りの看板にムカついたり、和まされたり。登りなのでストックを出してひたすら耐え忍ぶ。

問題は下りだった。どうやら右膝が逝ってしまった。焼額山からはゲレンデの激下りなのだが、スピードが出ないどころか、痛みで走れなくなってしまった。帰りたさがピークになった。

ここで北斗の拳のトキ兄貴の言葉が頭によぎる。

「これを渡しておこう、苦痛に耐えられないとき飲むがいい」

そう、僕が座りこんで取り出したのは禁止薬物紙一重のロキソニン。しかも期限が2021年になっている。一粒飲んだ。

即座に効くわけではないが、20分もするとかなり効いてきて、痛みがほんどなくなってしまった。恐るべしロキソニン。というわけで見事に復活。その間にこれでもかというくらい人に抜かされたが、良いコンディションで第2エイドに入る。

第2エイドから第3エイド

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第2エイドから本当は最初からしておきたかったけど忘れていたヤマレコを道案内がてらに起動。人もかなりまばらなのでコースアウトは避けたい。

エイドを過ぎると車道を3kmほど進む。結構車が通る上に、狭いので注意。紅葉が綺麗。

熟平からトレイルに入るが、ぬかるみもなく、良い道だ。思うに志賀高原南部は湿地が多く、道もぬかるみがちだが、北部(奥志賀)はドライになっているようだ。たまに登りがあるが、基本的にはトラバースで、ちょいちょい走れるトレイル。といってもちょっとでも登りだと歩くが…。なによりも紅葉がとても綺麗で、ロングのコースでは癒しセクションであること間違いない。

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途中「ここからめっちゃ走れます。いっちゃって〜♡」との煽り看板が。確かに平坦になり、走れるので走らざるを得ない。ゆっくりだが、ジョグで進む。しかし長いので後半は「エイド早よ」しか頭になかった。やがで第3エイドに到着。

第3エイドから第4(最終)エイド

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第3エイドは第1エイドと兼用だ。ミドルでも使用されているため、このとき既にかなりの品薄。コーラもギリギリ、饅頭もハーフサイズ。次のエイドもそう遠くないのでいいのだが。ここからゴールまであと15kmくらい。だいぶ進んだ感がある。関門的にはかなり余裕。

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ミドルの疲弊した人もちらほらいる中、進むとこのレースのなかで一番の悪路セクションに入る。細い登山道のトラバース、しかもぬかるんでいる。そんな道が続く。奥志賀の道とは正反対で、なかなかやる気がなくなる。どうせ走れないので歩くが、トップ選手はこんな道でも走るのだろうか…。せっかく泥が乾いたシューズがまた泥まみれになった。

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泥セクションを抜けるとゲレンデの下りに入る。痛みはないが、スピードを抑えて下るとまた煽り文句が「向こうにある激坂このあと登り返すのご存知ですよね?」

このやろう…という気持ちになるが、まあゲレンデだから見た目の威圧感のわりに、登り下りの量としては実際は大したことない。行くしかないのだ。

この激下りからの激坂を上り返したら、蓮池に到達。蓮池の周りは観光客が多く、場違いな泥だらけのランナーは浮いた存在で、少し肩身が狭い。少し進むと第4エイド、つまり最後のエイドに着く。

第4エイドからゴールまで

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第4エイドはあと10kmほどというだけあってかなり和やかな雰囲気。バナナを半切りではなく、一本まるまるいただいた。あたたかいコンソメスープももらって、残り10kmの英気を養う。トイレは自然保護センターの中で借りた。

エイドを出ると今回カメラマンとして活躍していた長田豪史さんとすれ違う。横手山以来だ。このあたり琵琶池の周りは紅葉がとても綺麗で癒しセクションだ。

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やがて車道に出て、ラスボスと言われるサンバレースキー場が登場。登りの量てきにはたいしたことないので淡々と登る。このあたりから山はガスがかかってきて、小雨がふりだしてしまう。やはり雨が降るのがこの大会のエクストリームたる所以なのか…?

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そうこうしているうちに最後の歩行区間に。ガスって暗いのでヘッデン出して下さいとのこと。もうここで順位確定ポイントだろと思い、のんびり雨具でも着るかと止まっていたら、なんと歩行区間を走っているランナーが登場。おもわず「ここ歩行区間ですよ!」と声をかける。無視ししてそのまま少し走って僕を抜かし、やがて歩いた。ゼッケン256のおっさん、ここで走ってどうになかなる順位でもないでしょうに、ルールは守ろうぜ。

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歩行区間が終わったらもうゴールかなと思っていると先が意外と長い。ゆるゆると登りがあるし、延々と湿地の木道を進む。50km過ぎたあたりで身体が少し山に慣れてきたというか、疲れに慣れてきた感じがした。「もうこれ以上疲れないな」という感覚というべきなのだろうか。もしこのまま走り続けることができれば、100km、そして100マイルの世界があるのかなと思うと、なぜか自然と足取りは軽くなった。

また、さっきの不正ランナーの登場であのおっさんには負けたくない気持ちが強くなり、ラストスパートをかけることにした。残り5kmくらいで数人抜かしたと思う。だが、すでにガーミンでは54kmを過ぎてもゴールには至らない。スタッフに「おかしくないですか~?」と聞くと「お得感あるじゃないですか!」とのこと。どうやら2kmサービスで付いてくるようだ…。

車道を渡りつつもゴールまでしっかりトレイルを通る。最後の看板の「長旅お疲れ様でした」の言葉に励まされる。さんざん煽ってきたけど最後はいいやつだったな。見覚えのあるパレスホテルが見えてから少し頑張って、ゴール。ガスっているが雨もほとんど降られずによかった。16時半過ぎ、目標は完走(15時間以内)だったので、サブ12はかなりうれしい。全体の順位は雑魚だが、僕は登山の一環でレースに出ているので自分との闘いに勝てればそれで満足だ。

ゴール後

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直ぐにゼッケンから計測タグが回収され、その場で完走証がプリントアウトされた。きのこ汁をいただいてその場で座っていると雨が少し降ってきた。あわただしく車に戻り、レースは終わった。ホテルの前にお湯の靴洗い場があったのでざっと泥を落とせる。選手はパレスホテルで500円で風呂に入れるのだが、僕は他に風呂のあてがあったのでそちらへ出発。

志賀高原はこの日の夜、降雪したらしい。あと少し天気の悪化が早まっていたら、相当エクストリームな大会になっていたに違いない。危ないところだった。

まとめ

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天気が良ければとても良いレースだと思う。標高が高いので景色がいい。そして紅葉が綺麗。後半は走れるトレイルが多いなどなど、飽きさせないコースだ。

ただ、天気が良くても前半の山岳セクションの一部と、後半の一部にドロドロの道があるため、汚れることを避けることはできないだろう。

今回ゲレンデ登り対策でストックを持っていったが、後半使用することはなかったのでやはり僕にはいらないかもしれない。疲労軽減に効果があるのか、いまいち実感できないし、狭い登山道の登りだと活躍することがないので。

気温に関しては関東奥武蔵の11月中旬~12月くらいのイメージで行けば問題ないはず。僕は念のための予備防寒着としてメリノウール長袖Tとタイツとネックゲイターを持っていった。

 

おわり

2022年11月3日