OMM装備考シリーズ、今回はテントを考えてみる。
- エスパース マキシムX(1-2人用)1,466g
- OMMでは睡眠時の快適性を大事にしたい
- 快適なテントの条件をクリアしている
- デメリットは重さとフライシートが無いこと
- メリットがデメリットを上回ると判断
- 補修と更なる軽量化を検討し備える
エスパース マキシムX(1-2人用)1,466g
考えてみると言っても、使うテントは一択である。なぜなら手持ちは一つしかないし、極力新規購入は避けたいからだ。
とはいえ、妥協しているわけでもない。持っているこのテントで十分だと思っている。そのテントの名はエスパースのマキシムX(1〜2人用)である。ちなみにこのテントはもう廃盤モデルであり、購入したのは10年近く前だと思う。今やULテントやドームシェルターが数多あるなか、重さも特別軽いものではない。
それなのになぜこのテントがOMMに十分であるかを説明したいのだが、その前にOMMに対する僕の考えを言いたい。
OMMでは睡眠時の快適性を大事にしたい
僕のなかではOMMはレースというより、「山行」という位置付けに近いと思っている。エイドがあるわけでもなく、地図読みが必須で、整備されていない山を歩く行為は、トレイルレースとはかけ離れている。アドベンチャーレースの経験がある人ならまだしも、そうでない僕からしたら、普通のバリエーション登山に近い感覚だ。そうなると装備は自ずとリスクヘッジができるものを選ぶ方がベターになってくる。
山でのリスクは本当に色々あるが、その中に「夜を無事に凌げるか」というのは大きな問題だ。夜間にいかに快適に身体を回復させられるかどうかは非常に重要だと思う。
快適なテントの条件をクリアしている
テント泊を快適に過ごすために克服すべき点は風、雨、寒さ、居住性だと思う。それに加えて設営と撤収の容易さもある。
エスパースのテントはヒマラヤ遠征でも使用される山岳テントであるため、耐風性は申し分ない。しかもガイライン(張り綱)はダイニーマ製で反射加工済み。
防水性と耐寒性についても、このマキシムXは防水透湿素材(ゴアテックスだが商標上ゴアテックスではなくXトレイルファブリック)を使用しているため、シングルウォールでありながらも十分な防水性と透湿性に加えて耐寒性を持っている。晩秋の1,500m級の山ではこれくらいあると安心だ。
居住性についても1〜2人用であり、今まで2人で使用してきた経験から十分な広さである。睡眠時にストレスをなるべく減らすことは重要。
設営と撤収に関してはドーム型で自立するためスピーディーな撮影ができるし、シングルウォールであるため、ドーム型ツェルト(ヘイリテイジ クロスオーバードーム等)並みに早く設営・撤収が可能。
デメリットは重さとフライシートが無いこと
欠点としてはやはり重さである。ポール、本体、ガイライン、スタッフサックで1.46kgあるため、ドーム型ツェルト(クロスオーバードーム2G 630g)の約2倍であり、超軽量ダブルウォールテント(ハイレヴォ2人用 1100g)より300g重い。
もう一つの欠点はレインフライが無いが故の前室が無いことである。前室があると靴や汚れ物を玄関のように置いておくことができるがそれができないため、室内置きになる。また、前室が無いため、雨が降った場合に調理に気を使う。
メリットがデメリットを上回ると判断
しかし生地の薄いドーム型ツェルトより耐久性、防水性が高く、安心感があるし、耐寒性も違うため夜間の防寒着やシュラフをいくらか軽くすることができる。また、フライシートがいらないのでドーム型ツェルトと同等の設営スピードである。
今まで使用してきた実績と、このような理由とにより、このマキシムXはOMMに十分通用すると考えている。テント場での休息時にドーム型ツェルトよりアドバンテージがあり、トータルでメリットの方が大きいと思っている。
補修と更なる軽量化を検討し備える
今回投入するにあたり、バスタブ部分のシームテープが経年で剥がれかかっていたため、アイロンで加熱し再溶着している。
また、夏場はメッシュパネルがあると快適だが、晩秋なのでいっそのこと外して少し軽量化に貢献しようと思っている。
追加:メッシュパネル76gを外せば1,390gになるのでなんとか1.3kg台に抑えられた。
おわり
2023年8月25日