寒い時期のランニング用、夏以外の時期の登山用ベースレイヤーとして、モンテイン・プリミノハイブリッドアルパインフーディを新規購入。早速ランニングで使用してみたのでレビュー。
目次
メリノウールと化繊混紡の良さ
冬の朝にランニングをしていると耳や顔面が冷える。かといってバラクラバをするほどでもないので最近はフード付きのフリースを多用していた。フードが無い場合はバフもどきを被っていたが、やはりフード一体型の方がズレを気にせず頭を動かせるので勝手がいい。そこで目をつけたのがフード付きのベースレイヤーである。
もうひとつ、僕の中の冬のベースレイヤーの条件はメリノウールと化繊の混紡であることだ。メリノウールの保温性、抗菌消臭性に化繊の速乾性の組み合わせが良いことはスマートウールのイントラニット200で体感済みだ。
パタゴニアのキャプリーンエアフーディと迷ったが、斜めに配置された機能的でデザイン的に優れたジップネックが決め手となってモンテインを選んだ。
アクティブかつ寒冷なコンディション向き
プリミノハイブリッドアルパインは厚み120g/㎡の糸を使用。50%がメリノウールで25%がプリマロフト、残り25%がポリエステルとなっている。
プリマロフトは羽毛のようなマイクロファイバー繊維。しなやかな着心地と保温性、速乾性、耐久性を兼ね備えている。そこにメリノウールを最適な配合で混紡したファブリックがこの「プリミノ」なのだ。
プリミノはまさに電気とガソリンで動くハイブリッドカーのように、二つの要素がお互いの能力を高め合っている。メリノウール単体では保温性、吸水性は高いが、速乾性は低いというデメリットがある。また、耐久性にも難がある。しかしメリノウールにプリマロフトを混ぜることでウールによって吸水された汗は化繊の速乾性で素早く外気やアウターウェアへと拡散されていく。しかも、メリノウール特有の抗菌消臭効果により長時間の着用でも不快感がない。
特徴的なのは特に汗をかきやすい脇の下と背中の織り方が他と変わっている点。プリマロフトとメリノウールは共に極細繊維であり、それを特殊なメッシュ状に織り上げて通気性を高めている。
脇の下と背中にベンチレーションがあり、プリミノという保温性と速乾性を両立していることで、薄手だがオールシーズン使える仕様になっている。
メリノウールに化繊を混ぜて速乾性を高めているベースレイヤーは他にもあるが、このプリミノのメッシュは速乾性をかなり重視している。メリノウールとプリマロフトで保温性を高めつつも、よりアクティブな運動に対応している。
冬のランニングで使用感
気温1℃前後、肌着にハイブリッドアルパインフーディを着て、上にブラックダイヤモンドのパワーグリッドフリースを着て走ってみた。
いつも着ているスマートウールのイントラニット200と比べて走り出しはやや肌寒いが、生地が薄いので当然だ。しかしメリノウールがすぐに体温をキャッチするせいなのか、すぐに寒さは感じなくなった。走っている最中も汗や冷えはなく快適。問題となる走った後の汗濡れ感だが、メリノウール特有の保水したようなジットリ感がなく、しばらく着ていたら自然に乾くので、化繊並みかそれ以上の速乾性があると感じた。厚さのせいもあるが、明らかにイントラニット200よりも汗抜けが良い。
冬はフリースなどの化繊中間着と併用、春秋は単体で使用するとちょうど良さそう。さすがに汗だくになるような真夏の低山には不向きだろうが、夏の3000m級の稜線で夜間の行動着にはちょうどよいのではないだろうか。
サイズ感とディティール
身長175cm、体重60kgでSサイズ着用。重量175g(Sサイズ)。ウエストが80以下ならSがちょうどいい。身体のラインにフィットしつつ、当然動きの邪魔をしない。袖口には腕が目から上がらないためのサムホール付き。
フードはバラクラバ状で伸縮性があり、頭にフィットする。キャップは中でも外でも被れる。ヘルメットも上から被れる。ジッパーを上げると口元まで閉じるが、斜めに入っているため口にジッパーの端が干渉しないのでストレスが無い。ここは推しポイントだ。
ジッパーは胸元まで下がるので暑くなったときは体温調節に役立つ。伸縮性があるので袖を捲って体温調節もできる。
肌寒いときのトレランに
長々と書いたが結論としては、肌寒いときのランニングにちょうど良いということ。
もともとこのベースレイヤーはアルパイン用に設計されているが、アルパインクライミングのストップ&ゴーの動きに対応するため、保温性と速乾性が求められるのは、寒い時期のトレランも同じだと言える。
冬の平地ランニング、春秋の登山、トレラン、夏のアルプスのトレランなど、オールシーズンを通じて僕はこのプリミノハイブリッドアルパインフーディを試してみたいし、必ずや快適であることを確信している。
おわり。