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縦走登山者が山を走り出すまで。

ハイカット登山靴からの脱却

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ファストパッキングのシューズを考えてみる。

 

通常のミッドカットやハイカットの登山靴では、足首まで固定されてアウトソールが硬すぎて、素早い動き、走る動きを積極的に行うファストパッキングには向いていない。

 

登山靴はもともと欧州のアルプスの岩稜を重荷を背負って歩けるように作られてきた。岩の鋭角な突き上げから足裏を守り、重荷を背負っても潰れない硬いアウトソール。ソールが重い分、足との一体感を高めるために足首まで固定している。

 

つまり従来の登山靴は「岩場」、「重荷」という二つの要素に耐えられるように設計されている。なので近年発達している軽量な荷物の登山では必ずしも従来の登山靴を使う必要がない。実際近年の登山靴は軽くなっていて、ソールも柔らかめのものが増えている。

 

僕は背負う重量が軽くて、岩場でなければローカットシューズの方が足首本来の柔らかさを生かせるので、問題は無いと思っている。だからよく整備された登山道、トレイルであればほとんどランニングシューズのような靴で歩いてもいいと思う。ただ懸念すべきはアウトソールの構造で、ロード向きよりトレイル向きの凹凸のものが望ましい。

 

あとはアッパーの耐久性。ゴリゴリの岩場を進まなくても多少岩があれば爪先をぶつけたり擦ったりすることはある。最低限の指先周りのアッパーは補強されているものがいい。

 

防水性はあまり考慮しない。激しい動きに加え、ローカットなら雨が降れば防水であろうがなかろうが、いずれは浸水してくる。いかに排水性がよく、乾きやすいかのほうが重要だ。

 

でもどうしてもガラガラの岩場が多い登山道メインのルートであればどうだろうか。トレランシューズではソールが柔らかく薄いので、硬い岩をずっと歩いていると足裏が疲れてくる。僕がまだローカットシューズの登山に慣れていなかった頃、八ヶ岳の御小屋尾根から阿弥陀岳に入り、麦草峠まで一泊で縦走したことがある。そのとき天狗の奥庭移行のゴーロ地帯で足の裏がだいぶ疲弊してしまった。

 

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僕の考えでは、岩が多い場所、クライミング要素があるルートならアプローチシューズがいいと思っている。爪先や踵などを補強する十分なアッパーの強度、ソールの堅牢性が必要だし、安全な登山に繋がる。どんなルートでもトレランシューズで行けるという考えは極めて危険だろう。

 

ちなみに僕が愛用しているトレランシューズはALTRA(アルトラ)、LONE PEAK(ローンピーク)のバージョン3.5だ。とても人気で履いている人は多いが人気には訳がある。レースよりも歩き重きを置いているので、アッパーの補強が他のモデルやメーカーと比べてしっかりしているし、ソールパターンも山向き。岩場は厳しいが、日本の変化に富んだ登山道に一番対応できるトレランシューズではなかろうか。