軽速山歩

登山者が実践するファストパッキングスタイルへの道

VIVOBAREFOOT プライマストレイルニットFG 286g

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先日、ビボベアフットジャパン主催のワークショップに参加し、内容に感銘を受けて思わずシューズを買ってしまった。

今回はなぜビボのシューズを買うに至ったかを書く。

ビボベアフットとは

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ビボベアフットとはイギリスのシューズブランドで、単なるベアフットシューズの製造販売のみならず、正しい足裏の使い方や姿勢とは何か?という啓蒙活動を積極的に行っているブランドだ。

足裏の荷重バランスを知る

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ワークショップでは機材を使って足裏のどこに荷重がかかっているかを測ってもらった。ボードに乗るとモニターにサーモグラフィーのような足裏の荷重が大きいところが赤く、弱いところが青くなる表示が出る。

はるか昔学生のときに登山用品店でインソールメーカーに似た様な計測をしてもらったときはそれなりに満遍なく足裏に荷重が分散されていた記憶があったが、今回は前足部、拇指丘を中心とした足の前の方が赤くなっており、踵が青くなっていた。

正しい足裏と姿勢とは

これはあまりよろしくないらしく、ビボの人曰く、正しく静止して直立したときの足裏の荷重バランスとしては踵が赤く、前足部は青く、足指には体重は乗っていないくらいがベストだという。

この前足部に荷重がかかる人は、フォアフットを心がけるランナーによく見られるらしい。普段歩くときまでフォアフットになってしまい、脚全体が前傾してしまい、結果としてやや「くの字」「反り腰」気味になっているとのこと。心当たりがとてもあるので少し驚いた。

フォアフットランニングの弊害

この姿勢を正すには、少し後ろに倒れそうなくらい踵に荷重を乗せて、骨盤の仙骨を後傾させずに立ててあげると良いらしい。なるほど、確かに人生で初めてゼロドロップシューズを履いたときは後傾する感覚があったのを思い出した。その姿勢でおそらくよかったのに、「ヒールストライク」をしないためのゼロドロップやベアフットと思い込んでたので、いかなるときもフォアフット着地が良いだろう決めつけていた。フォアフット着地はランニング時や踵への衝撃を和らげるための「結果」として出てくるもので、本来の立ち姿としては踵に体重が乗っているのが正しいアライメントなのだ。

ビボによると全身のアライメントの基本は足の接地なので、そこが崩れると身体がジグザグのようにバランスが崩れる。足裏が悪いと上の筋肉で辻褄合わせをしていかなければならず、脹脛や膝、大腿筋、腰、首までに過度な負荷がかかることになる。これに関しては腰痛持ちの僕はなるほどと思った。

ワラーチの弊害

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また、足の指についても実に興味深い指摘と話を聞いた。ワラーチを履く人に外反拇趾が多いという話である。真偽はわからないが、とにかくそういう話を聞いた。僕は外反拇趾というほどではないが、少なくとも足の親指はどちらかというと人差し指にくっつき気味だ。

ワラーチで走ると足指で踏ん張ろうとするが故に、元々指が使えてない人が履くと親指が人差し指方向にギュッと縮こまってしまう。本来足指は開いて使うものなのでグーじゃなくてパーで踏み込むようにならないといけない。それができないのに、いきなりワラーチを履くのでグーの踏み込みが余計強くなって外反拇趾が悪化するとのこと。

足指が動けば足の筋肉をもっと使える

これを防ぐには足の親指をパーのように開く力を取り戻さないといけない。僕の場合は小指はパーの様に開くことができたが親指が動かない。こうなると片足スクワットをしたときに膝がどうしても内側に入り込んでしまう。

すると大腿筋の外側ばかり使ってしまって内側の筋肉をうまく使えないことになるらしい。局所的な大腿筋への負荷は膝の痛みに繋がるので、僕の膝痛の原因はこれかもしれないと判り、目から鱗であった。

ビボのシューズを買うことはきっかけに過ぎない

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足指を広げ、特に親指がパーの形にできる様になれば、接地の荷重や筋肉の無駄遣いも改善されるとのこと。話を聞いていたら結果的にシューズを買っていた自分がいたが、シューズを履くことは手段であり目的ではない。だからシューズ代の半分はこのカウンセリング料だとも言える。今までスポーツ整形や整体も行ったことはなかったが、それに比べれば安いのかもしれない。

どんなモデルを買ったかというと簡単な山歩きができる様にトレイルモデルである“プライマストレイル”のニットタイプをチョイスした。タウン用との違いはラグの深さだけで、クッションは入っていない。もちろんランニングにも使用可能。ソールの耐久性は未知数だがお値段もお高いのでラグがなくなるまで履き潰したい。サイズは40(僕の足の実寸値は25cmちょうどくらい)にした。重量は片足286g。

ベアフットやゼロドロップを深く理解すべき

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今までネットの情報だけで漫然とゼロドロップシューズやベアフットの真似事をしていたが、シューズを履くのは目的ではないし、履くだけで改善できる魔法など無いことを今回思い知らされた。どういう姿勢が正しいのか、普段のエクササイズとして何をすべきなのか、それを意識することのほうが何倍も大事であり、全ての基本なのだろう。そのための一つのサポートとしてシューズがあるだけというのが、ビボというブランドの本質な気がする。そういう意味でビボは他ブランドより価値があると感じた。

というわけで僕の身体の筋肉の使い方にまだまだ改善の余地があり、つまり伸び代があることがわかったので、これからの山歩きがまた楽しくなりそうだ。

 

終わり

2023年7月5日