僕の登山形態がなぜファストパッキングに近づいていったのか?答えはシンプルでそれは生活環境の変化だった。
僕が登山を始めたのは大学1年生の頃、2006年からだ。大学のサークルで登山のキャリアをスタートさせたので、山岳部とまではいかないが、あるていど学生組織登山の枠組みの中で登山を学んできた。
当時は荷物も多いのが当たり前で、今考えれば不必要なものも沢山持っていった。普段の1泊程度の山ではなるべく重い荷物に耐え、2週間程度の長期の山への訓練としていたので、軽量化はそういう「いざ」というときのためのとっておきだった。
しかし「いざ今回は軽量化するぞ」というときは大抵長期山行なのでそもそも荷物が多く、重い。そもそも「いざ」の機会がそんなにない。結局あまり軽量化の恩恵は少なかったような気がする。
そういう癖が付いていたので、社会人になっても軽量化に対して意識はしつつも、あえて「思い切った軽量化はもっとシビアな登山のためにとっておいて、今回は少しトレーニングにしよう…」などと考えるのが常だった。
しかし結婚し、子供がが生まれ、家庭を持ったら山行スタイルは激変した。
山に限らずだが、独り身と違い時間の制約が出来たため、限られた時間内でどれだけ行けるかが重要な問題となった。必然的に移動は駆け足となり、そのためには思い切った軽量化を真剣に考える必要が出てきた。
こうして僕の山行スタイルは自ずとファストパッキングの体を成していった。
動機としては単なる自由時間の減少によるものなのだが、やってみると色々気づきがある。速く行動することは安全にも繋がるが、やりようによっては危険度も増すので、そこもよく考えなければならないし、それを考えるのもまた楽しい。
まだまだ経験、体力も追いつかず、装備も研究の余地が多いが、これからそれらの成長を含めてこの山行スタイルを楽しんでいきたい。